株式会社イトーヨーカ堂の障害者差別解消に関する取組を紹介します。
株式会社イトーヨーカ堂における障害者差別解消に関する取組
株式会社イトーヨーカ堂では、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(平成18年法律第91号。通称「バリアフリー法」)の前身となった「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」(平成6年法律第44号。通称「ハートビル法」)の施行を契機として、店舗全体をバリアフリーの視点で捉え、障害のある方々等が買い物しやすい環境を整えるためにハート面(思いやり・配慮)とハード面(設備)の組合せで自然で永続性のあるノーマライゼーションを推進していくことを目的に、「ユニバーサルデザイン店舗設備見学会」(以下「見学会」という。)を実施している。また、従業員にノーマライゼーションに係る各種研修を実施し、全ての従業員が合理的配慮の提供をスムーズにできるよう取り組んでいる。
- 1.ユニバーサルデザイン店舗設備見学会の開催 見学会は、新規店舗(一部食品館等は除く)がオープンする前に、障害のある方々等に実際に店舗の設備を見学していただいて意見を伺うための取組で、1996年に開店したイトーヨーカドー石巻あけぼの店(宮城県)から開催している。 開催に当たっては、様々な配慮が必要な方からの意見をいただくため、肢体不自由の方(車いす利用等)、視覚障害、聴覚障害、内部障害(オストメイト等)のある方々に参加いただけるように各障害者団体、地域の社会福祉協議会や行政窓口(障害福祉課等)に協力を仰いでいる。 見学対象の施設等は、バリアフリートイレ内の設備、エスカレーターの速度や障害者用の駐車場等で、実際に体験・確認していただいた障害のある方々等からの意見を「環境の整備」「合理的配慮の提供」に結びつくように店舗設計に活かしている。今後も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況を踏まえつつ、新規店舗出店時には見学会を開催する予定である。
-
-
「ユニバーサルデザイン店舗設備見学会」の様子
- ゆったり試着室は、付き添いも一緒に入ることができ使いやすい。(車いす・肢体不自由)
- 低速エレベーターは、安心して乗り降りできる。(肢体不自由・高齢者)
-
階段の色分け(1段ごとに)がわかりやすい
手すりの高さ(2段)や点字があるのが良い。(視覚障害) - 案内板を始め、各種ボタン等の点字を付けて欲しい(視覚障害)
-
障害者専用駐車場(リモコン式)の台数が少ない。
各入口付近に設置して欲しい。(車いす・肢体不自由)
- 2.従業員に対するノーマライゼーション体験研修、手話講習会等 従業員が障害についての正しい知識や接客マナーを身に付け、より適切に合理的配慮の提供をできるようにするため、ノーマライゼーションの体験研修や啓発教育、手話講習会を実施している。ノーマライゼーション体験研修は、車いすや視覚障害のある方の介助方法について、実際に車いすや杖・アイマスクを用意し体験しながら学んだり、聴覚障害の方への対応として、簡単な手話について学んだりするもので、新入社員研修時や新規店舗の従業員(テナント従業員も含む)に対して実施している。また、聴覚障害の方への環境の整備として、「手話講習会」を実施して各店舗に手話の出来る従業員(初級程度)を配置する取組を行っている。これらの取組を通じ、全ての従業員が障害のある方々の買い物のお手伝い(合理的配慮の提供)ができるよう取組を進めていく。