株式会社三越伊勢丹ホールディングスの取組事例
(事業者の障害者差別解消に関する取組事例)

株式会社三越伊勢丹ホールディングスの障害者差別解消に関する取組を紹介します。

株式会社三越伊勢丹ホールディングスにおける障害者差別解消に関する取組

株式会社三越伊勢丹ホールディングスでは、「お越しいただいた全てのお客さまに笑顔でお帰りいただける接客」を目指している。主力事業である百貨店は、その公共性から、長年に渡り様々な利用者(障害のある人、高齢者、妊婦等)を迎えることのできる設備、サービスを展開しており、そのノウハウを蓄積している。三越伊勢丹グループでは、このノウハウをグループ全体、全従業員の知識として継承していくために、2018年3月に「ユニバーサルマナーハンドブック」を作成した。また、このハンドブックの内容をベースとしたe-ラーニングを1万人以上の従業員に実施し、ユニバーサルマナーを浸透させている。 さらに、その他の取組として、その人の強みを生かせる職場を創出するなどして、障害者雇用を行い、ダイバーシティを推進している。障害のある従業員と障害のない従業員との交流を通じて社内全体の障害への理解促進を図っており、厚生労働省等から賞を受けるなど高い評価を受けている。

  • 1.ガイドラインを整えたハンドブックの作成 2018年3月に「ユニバーサルマナーハンドブック」を作成し、従業員間で共有している。このハンドブックでは、視覚障害、聴覚障害、知的障害、精神障害、内部障害のある方、高齢者、妊婦、LGBTQ+の方など、配慮が必要な方への対応について事例をあげて紹介している。今後は従業員がすぐにアクションできることを重視した教材・媒体とするため、店頭勤務者から体験談や掲載希望内容のヒアリング等を実施し、より実践力のある内容に改善していく予定である。また、2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症が日本国内でも拡大したことに伴い、コロナ禍であってもサービスレベルが落ちない工夫を盛り込んだ「コロナ禍でもできるユニバーサルマナー」を作成し、グループ全体での浸透を図っている。
  • 2.従業員への教育 2019年度より、「ユニバーサルマナーハンドブック」をベースにした教材を作成し、定期的に社内向けeラーニングを実施している。
    このeラーニングは、売場の責任者から開始し、段階的に受講者を拡大している。2021年度からは、百貨店事業で働く従業員だけでなく、カード事業の従業員まで受講することとしており、グループ全体で障害のある方に適切な対応が出来るようにするための取組を進めている。
    • eラーニング資料(表紙)

  • 3.障害のある従業員と障害のない従業員との交流 グループ会社の株式会社三越伊勢丹、株式会社岩田屋三越では、特例子会社にて障害のある人を雇用し、その人の強みを生かす職場作りを行っている。障害のある従業員が職場で活躍し、また、障害のない従業員と業務を通じて接点を持つことによって、社内全体の障害や障害のある人に対する理解の深まりに繋がっている。